根はいい子なんです。

うしです。


そろそろ、現場入りが見えてきた
中野区の小田原さんのおうちをご紹介させてください。


小田原さんに最初にお問い合わせ頂いたのは
えーっと。
もう2年前になるのですね、、、、。
(このニコの亀っぷり。。。)


敷地は、中野の古い商店街の一角にあり
小田原さんは、もう長いこと
その商店街の近くにお住まいでした。

昔ながらのお店が並ぶ、素敵な商店街。


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小田原さんと打ち合わせがてら近くのお店に入れば、
そこにいる皆が家族のようで
「いつ家できるの?」「なんかお店やってよ」「みんな待ってるよ」と、
いつも気にかけてくださるのです。


連れて行ってもらうたびに

ああ、頑張らねば。
小田原さんの為にも、商店街のひとたちの為にも。と

ぴっと背筋が延びる、わたしたちなのでした。



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さて、話は飛びますが

お施主さんたちは、みなさんどなたも
多かれ少なかれ、

こんなおうちに住みたい、こんな間取りにしたい、と
なんとなく「ウワモノ」のイメージを持って、
ニコに来てくださるのですが


そもそも、敷地には、
「もともとそなわっているもの」があると思います。


それは、目に見える
既存樹や、塀、井戸もあれば

目に見えない、街の歴史や風景、方角や日当りなどの環境、
近くに住む人々の人柄などもあります。



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こういうものは、
大体、敷地を擬人化して考える方が
すっと頭に入りやすいのですが、、、



例えば、
目立ちたがりなくせに、シャイな部分もある子とか。
(角地だけど、いろんな意味で奥ゆかしい敷地)

若い人たちに囲まれてるけど、意外と老人みたいな性格、とか。
(新築ピカピカのハウスメーカーに囲まれてるけど、
実は街の歴史は古かったり、古いものがポツポツ残る街並)

こっちから見ると、ブチャイクだけど
この角度から見ると、可愛いのよ。とか。。。
(立つ位置によって、風景がガラっと変わる敷地)


まずは、この敷地は、どんな子なのだろう?
そして、この子には、どんな建物が、相性いいだろう?

というのが、実際のところの
設計スタートなのかなーと思います。



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さて、前置きが長くなりましたが

小田原さんの敷地さんはというと、、、、



これまた、気難しい性格の
それはそれは手のかかる子なのでした。




「根はいい子なんです!
ちょっとだけ、ひねくれてる部分もあるけど、、、

かわいい子なんです!」


という感じでしょうか。。。




いや、ほんとに、とても楽しい敷地なのです。
まさに、商店街に面していて

半分は、商店街のひとたちの為のものであり
半分は、小田原さんの為のものである敷地。



西久保さんが講師をしている明治大学の課題も
商店街を敷地とした課題だからか

商店街について、考える機会も多いですし
住宅街にはない魅力がたくさんあります。



ただ、この敷地一帯は
地盤があまり良くないので
ウワモノを出来る限り、軽くしないといけません。

重ければ重いほど、地盤改良がおおごとになるからです。


軽量化、軽量化。
やっぱり、木造が一番、軽いので
木造で行くかと思いきや、、、


法規を調べると
防火条件が厳しく、3階建て規模のおうちは
耐火建築物にしなくてはいけません。

耐火建築物、、、、、。

木造でも耐火建築物に出来ないこともないのですが
コンクリート造か鉄骨造にした方が、ずっと、手っ取り早い。


小田原さんのツボノートを見てみると
きっと、木造かコンクリート造の方が
イメージに近いだろうなぁ。

ということで、必然的にコンクリート造を選択。



だが。

コンクリート造にすると、重い。

地盤的には、軽くしたいのに
法規的には、軽くできない。


という、法規と地盤が完全に相反する
矛盾した子なのでした。







結局、色んな方のアドバイスを聞きつつ
頭をひねりつつ抱えつつ

構造の方からも「軽くしてね」とつつかれつつ、、、、
でもここはやっぱりせっかくだから
RCで打ちたいよなぁ、、、という希望も織り交ぜつつ、、、、




なんとか、書き上げた計画は



基本的にはコンクリート造なんだけれど、、、
コンクリート量を出来る限り減らし、
いろんな部材が見え隠れする

パッチワークのような、なんとも不思議で、楽しいおうちになりました。





見積調整の最終局面に来て
改めて、おうちを見返すと


この敷地の性格がなくては
絶対に、このおうちはうまれなかっただろうなぁと思いますし

前述した法規や地盤だけでなく
いろんな要素が絡み合った結果、うまれたものなので

なんとなく、自分たちの予測出来る範囲を越えて
どんなおうちになるのだろう、、、とワクワクしています。




そして、ニコとしては
久しぶりの総RC造!


現場が楽しみです!




というわけで

春から現場の仲間入りする小田原さんのおうち。



乞うご期待くださいませー。




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うし。