久しぶりの更新。うしです。
じつは、4月半ば頃からしばらくの間
私の故郷である、熊本に帰省していました。
ご存知のとおり、大きな地震のあったあとです。
今、こうしてブログに記事を書けるのも
家族や親族友人の無事が確認出来たからで
建物こそ壊れてしまったものの
変わらず笑顔で出迎えてくれて
安心して、また東京に戻ってくることが出来ました。
たくさんの方からお声掛け頂きまして
ご心配、ご迷惑をおかけしました。
実際に状況を目の当たりにしてみると
人間も、人間のつくったものも
人間が営んできたものも
地球のほんの、くしゃみとか、あくびとか
きっとその程度のささいなことで
一瞬にして、簡単に崩れてしまうんだなぁ
と、、、、
人間の脆弱さを改めて感じました。
こういうことが起こらなければ
こんな風に、なかなか俯瞰して見ることもないのでしょうね。
まさに、アリンコの気分です。
ゾウのくしゃみが、天地揺るがす大災害。
それでも、この地面の上で
生きて行くしかないわけで。
またわたしたちはせっせと
崩れた生活を作り直していくのですが
でも、、、、、
じゃあ次は
どんな家を、どんな街を、作ればいいのだろう?
それこそが
一番大事なところ。
そしてそれが
今一番恐ろしいこと。
「次はもっと強い家ば作らなんね〜」
「どこどこのメーカーの家が一番崩れとらんてたい、、、」
「震度7に3回耐える家ってどんな家かね?」
そんな声をたくさん聞いて
ふと
3びきのこぶたのお話を思い出しました。
オオカミから身を守ろうと、こぶたが作った3つの家。
ワラの家が簡単に吹き飛ばされて
ワラが駄目なら、木の家に。
木が駄目なら、レンガの家に。。。
物語はここで終わるけれど
そうやって、建物をツヨくカタくしていくことが
果たして、正解だったのだろうか?
もっと強いオオカミが来て、
レンガの家も壊してしまったら
次はなんの家でしょう。
、、、、金属の家?
じゃあ次はオオカミが2匹きて
それも壊されてしまったら?
壊されるたびにエスカレートしていって
行き着く先はきっと
もはや家とは呼べない
シェルターのような箱なのでしょう。
オオカミから、身を守ることは
もちろん当たり前に、大切なことだけど、、、、
ほんとうにそれだけで
いいのだろうか?
レンガの家にはない、なにかが
きっとワラの家にも木の家にも
あるんじゃないのかなぁ、、、。
強く強くしていくことで
失われていくものって
きっとこれまでの、私たちの生活や、家や、街にとって
とても大事なものだったんじゃないかなぁ、、、。
シェルターだらけの街は
果たして、気持ちがいいのかなぁ、、、。
レンガの家こそ
崩れたときが危なくて
いっそワラの家だったら
全壊したってきっと人の命は守れるんだろうなあ、、、、。
そしてワラの家こそ、
あっという間に簡単に再建出来るんだろうなぁ。。。
わたしの地元でも多くの人たちが
家を失いました。
これから始まる街の再建が
ただただ個々の家を強く固くするだけ、という結果にならぬよう
願うばかりです。
そして、建築に向き合う者として
この、不幸にも貴重な経験を糧にして
自分に出来る事を少しずつでも
始めていこうと、強く思いました。
(あれ、、、なんか、、、うしのくせに真面目だぞ、、、、)