家の姿と境界


うしです。

今日は、完成して1年半の荻窪のあささんちで打ち合わせ。




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少し前にあささんから
「あの〜、、、お隣さんとの境界の件で相談が、、、」
と連絡が。


お、、、、、境界か、、、、。



「境界」とか「塀」ってワードを聞くと
やっぱり、ちょっとドキッとします。


境界やお隣さん問題って
とてもデリケート。

これから何十年も住み続けるお施主さんにとって
お隣さんとの縁は切れないものですし
できれば、長くいい関係を築きたい。

お互いに、気持ちよく暮らしたいという気持ちは
同じなのだけど
ときには、意見が合わないことも。

それも、まぁ
新築をつくる上では、よくあることですし
いい具合に、おとしどころが見つかれば
いいなぁ、という感じ。







そうそう、それで
あささんと、お隣さんとのお打ち合わせは

お互いの暮らしのために
視線をゆるく遮りたい、というご相談。


よくいただくご相談。
塀はちょっと切ないけど
仕方ないかな〜、、、なんて思っていたのですが



「高いブロック塀や、味気ないフェンスで
ガチガチに塞ぎたいわけでもないから

生垣を植えて、一緒に育てましょう」とのこと。。。。



なんてハッピーなおとしどころ。
もうこちらは、大賛成!

ああ、よかったなぁ、、、
とホッとしながら
設計していた頃を思い出しました。




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お隣さんは、南向きに庭をとっていて
あささんちは、北向きに中庭。
配置としては、お庭が向かいあっています。

セオリーとしては、やっぱりこちらも
南向きで配置するのが一般的なのでしょう。
設計当初は、視線も気になるだろうからと
あささんちも、南向きのプランでした。

だけどよくよく見てみると、
お隣さんの生垣やお庭、手入れされていて、とても素敵なのです。

「こっちを向いた方が、気持ち良さそうだぞ、、、?」
ということで、途中で
エイヤッと、プランを南北反転しました。

頂いた借景はお返しせねばと
あささんち側にも
アプローチや中庭に、大きな木を植えました。



設計中、あささんとの打ち合わせの中で
「家の姿」が「住む人の姿」でもあるよね、と
いう話をしました。

ガチガチに塞がれた家があると
住んでいる人とも、なんとなく距離を感じるし
背を向けられている気がする。

反対に、小さくてもお庭があったり、少し境界から引いていたり
なんとなく、街とつながろうという意思を感じる家だったら
きっと住んでる人も、そういう人なんだ、と。

そういう目で、あささんちの周りの家を見渡してみると
お隣さんの家の姿が、なんだかすごく、素敵に思えましたし

あささんのおうちも、お隣さんや道ゆく人に、
あささんの人柄や愛情が伝わる家になるといいなとおもいました。









もしかしたら、
お隣さんに、伝わったかな、、、?






そうだったら、いいなぁ、、、、。









生垣の管理は、
それぞれ自分ちの庭に面してる部分をする、という
約束事も決めたのですが

お隣のご主人は、生垣の手入れがすごくお上手で
半ば趣味みたいなものです、とのこと。



「もし、お庭に入らせてもらえるのであれば、
たまには、そっちもやっていいですか、、?」とおっしゃるので



ダチョウ倶楽部ばりに

「どーぞどーぞどーぞ!!!」とハモった私たちでした。



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